その後夕食の時に
ジェームズは、
しつこいくらい
僕を問いただしたし
隣でシリウスやピーターも
耳をそばだてていた。
野次馬根性のある奴らだ。
僕は軽く笑った。


「ムーニーにも
 やっと春が来たんだな。」
「君は一年中春だよね、
 プロングス」
「まあ僕には常に
 リリーがいるからね。」


自信満々に言う彼の頭を、
誰かが教科書で叩いた。
エバンズだ。
見なくても分かる。


「やあ、リリー!」


頭をさすりながら、
ジェームズは
後ろを振り返った。
殴られても
ニコニコしている彼に
僕は溜め息をついた。
凄い執念だ。
ジェームズを見ながら
そんなことを考えていると、
ラミと目が合う。


彼女は僕と目を合わせると
一瞬で目をそらした。
告白したときは
あんなに興味がなさそうに
していたのに、
思ったよりもラミは
僕のことを
意識しているのかもしれない


「ラミ?」


エバンズがラミの顔を
心配そうに覗き込んだ。
相変わらず赤面するラミ。
昨日から会う度に
彼女は顔を
赤くしている気がする。


「あ!えっと、
 先に戻ってるね」


そそくさと
立ち去るラミに
その場の人間達は
首を傾げた。


もちろん僕は
彼女を追いかけた。

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