ビルは優しくて、
汚れがない。
ちょっと意地悪で
ずるいところもあるけど。
私はそんなビルに
恋をしたわけで。


「ラミ、
 俺と付き合ってくれる?」


視線を上げると、
ビルが微笑んでいた。
優しくて心が温まるような
そんなビルの笑顔。


「・・・本当にいいの?
 私で・・・いいの?」


ふ、と彼は笑った。


「な!
 なんで笑うのっ?」


熱がやってきた。
いまさらになって
凄く恥ずかしい。


「いや・・・、
 やっぱりラミのこと
 好きなんだなあ、
 って再確認。」


ちょっとちょっとちょっと!
どうしよう・・・。
嬉しい。


「わ、私の方が
 ずっと前から・・・、
 好きだもん。」


そう言って顔を上げると、
意外にも顔を赤らめたビルが
右手で顔を隠していた。


それ、
この前もやってた。
ああ、
癖なんだ。


「大好き、
 ビル。」


いつも私ばっかりが緊張して、
ビルは余裕こいてるけど、
たまには私がビルを
ドキドキさせたいの。


「・・・・・やめて。」


ビルは真っ赤になって、
顔を背けた。


「・・・でも俺も、
 大好きだよ、
 ラミだけが。」


夢にまでみたその言葉。
一生私の中から
消えてはくれないでしょう。


いつもドキドキ
させられっぱなしだけど、
たまには私が
ドキドキさせてあげる。


ビル、
大好きだよ。


Fin.

[ 58/59 ]

[] []