ちょっとよく意味のわからない
チャーリーをおいて、
私は寮に戻った。
本当はすぐビルは
戻って来てくれる、
って期待してた。
でも戻って来ては
くれなかった。
ビルが準備していた
たくさんの本を
棚に戻すのは
結構大変だった。


「ラミ!」


階段を上り切った後、
廊下を歩いていると
前からセレーナが
走ってきた。
凄く息を切らせて。


「どうしたの?」
「ごめん!
 私の勘違いだったみたい!」


全然話が見えない。
何か悪いことを
したのだろうか。


「勘違い?」
「ウィーズリーよ!
 本当は付き合って
 なかったんだって!」


興奮気味のセレーナに、
私は小さく首を振った。
だって、
そんなことないもん。
付き合ってなかったら、
さっき聞いた時点で
否定したはずだもん。


「本当だって!
 さっき談話室で・・・、」
「ラミ。」


セレーナの向こうに、
大好きな人の姿が見えた。


「ちょっと、
 いい?」


本当は怒るところなのかな?
もうあなたと
話すことはないって。
彼女がいるなら
キスなんてするなって。


でもダメだ。
ビルが大好きすぎて、
怒ったりできない。


セレーナが慌てていたから、
私は大丈夫、
って彼女に言ってから
ビルのもとへ向かった。

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