それは肯定ととって、
よろしいのでしょうか?


ビルは何も
言ってくれなかった。
否定も肯定もしない。
ただじっと私を見つめ、
しばらくたってから、
無言のまま図書館から
出て行ってしまった。


何回目の溜め息をついたか、
最初の何回かは
数えていたけど、
今はもう全然覚えてない。


「・・・・・はあ。」
「124回目。」


隣に座った彼は、
私を見ながら笑っていた。


「チャーリー!?
 いつから?」


全然気づかなかった。
隣の椅子に腰掛ける彼。


「気づかなかったの?
 鈍臭いね。」
「わー、
 そんなこと君に
 言われたくない。」
「なんで?
 だって僕クディッチチームの
 シーカーだよ?
 将来有望の。」


自分で言うな。


「ビルと喧嘩したんでしょ?
 じゃなきゃ124回も
 溜め息つかないもんね?」


チャーリーって結構、
嫌みったらしいのね。
本当にビルの弟?


「数えてたの?」
「暇だったからね。」


チャーリーはテーブルに
肘をつき、
さっきビルがしていたような
格好で私を見ていた。


本当に、
似るもんだね。


「ビルね、
 戻って来ないと思うよ。」
「どうして?」
「ここに僕がいるから。」


チャーリーはそう言って、
ニヤリと笑った。

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