初めての補習は
木曜日だった。
ビルには会いたくなくて
仕方がなかったけど、
前日の夜に
わざわざ呼び出されて
言われたもんだから、
忘れてたなんて
言い訳も使えない。


待ち合わせは図書館。
足取りは重かった。


「ラミ!」


図書館の入り口で
キョロキョロしながら
ビルを探していると、
後ろから声を掛けられた。
一瞬ビルだと思って
ドキッとしたけど、
違った。


「今ビルだと思って、
 ドキッとしたでしょ?」


ニコニコの笑顔で
迎えてくれたのは
チャーリーだった。
この子本当は
エスパーなんじゃ?
って思うくらい、
心を読んでくる。
この前もそうだ。


「ビルね、
 向こうにいるよ。
 女の子と待ち合わせ
 って言ってたけど、
 ラミだったのか。
 納得。」


勝手に話を始めて
勝手に終わらせて、
チャーリーは去った。
嵐のような子だ。
ビルの弟とは
思えない。

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