でもセレーナは情報通だから
その話を信じない訳には
いかないんだ。


「傷付くと思って
 言わなかったけど・・・、
 ウィーズリー、
 彼女いるよ。」


信じる?
信じない?


ビルは私のこと
好きって言ってくれたけど、
付き合おうとは
言ってくれなかったし。
じゃあ何を
信じればいいの?


でも実はその話、
私も知っていたの。
ずっと前からビルだけを、
見ていたんだもん。
知らないはずがない。


相手は女子寮の監督生。
同じ監督生だから、
って自分に言い聞かせて、
二人でいるのを見ても、
見なかった振りをして。


「やっぱり・・・、
 それ本当なのかな、」
「傷付けたくはないけど、
 私は本当だと思うよ。
 ルカンも・・・
 そう言ってたし。」


残酷な人。
彼女がいるのに、
どうして好きだなんて
言うのかな。
どうしてキスなんて
したのかな。


「ルカン君が言うなら・・・、
 きっとそれは正しいよ。」


あの男、
泣かせてくれるよね。
私のこと
何だと思ってるんだろう。


それでも溢れてくるのは、
憎しみなんかじゃない。
大好きだっていう、
愛情だけなの。

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