「おかえり、ラミ。」


談話室に戻ると、
ソファーで勉強していた
セレーナと目が合った。
私は思わず勢いよく
セレーナに抱き着いた。


「離れて、
 欝陶しい。」
「セレ〜ナ〜!」


呆れたように息をつき、
彼女は私の髪を引っ張った。


「痛い痛い!」
「じゃあ離れなさい。」


渋々離れると、
セレーナは私の存在を
無視したように、
ノートに視線を戻した。


「セレーナ!
 無視しないでよっ!」


するとセレーナは
口元を隠しながら、
笑っていた。


この人Sだ!
ええ、
もう、
ドが付くくらいの。
まあ知っていたけどね。


「で?
 何があったの?」
「ビルとキスした!」


セレーナは予想外に
一瞬固まった。
彼女ならいつものように
よかったじゃない、
とか軽く流すと
思ったのに。


「・・・・・はあ?
 あんた夢でも
 みてたんじゃない?」
「え?
 どうしてよ!
 ついさっきのことだよ!」


セレーナは一緒になって
よかったよかったって
喜んでくれると
思ったのに・・・。

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