ビルは固まっていた。
目の下顔半分を
右手で覆い、
隠れてない部分は
微かに赤くなっていた。


思わず、
首を傾げた。


「ラミ、」


肩が震えた。
ビルが私の名前を
呼ぶだけで。


「君、
 俺のこと好きなの?」
「・・・へ?」
「ラミって、
 俺に告白したの?」


・・・まさか!
まさかあの小さな告白は
聞こえなかったんじゃ?


一気に熱がやって来た。
顔から出そうになる火を、
必死で押し込めた。
ビルは軽く笑っていた。
微かに顔を赤くしていた。


「あー!嘘っ!
 何でもない!」
「え?嘘なの?
 残念だなあ。」


くすりと笑って、
ビルは私の頭に
手をおいた。


「ビル?」
「ラミって、
 俺のこと好きなの?」


さっきと同じ問い掛けに
心臓が高鳴った。
俯きかけの私の顔を
彼は覗き込んでくる。
吐息がかかりそうな近さに
ビクッと肩が揺れた。
でも手はまだ離されてないから
後ろに下がることは
出来なかった。


「どうなの?」


少し強気なビルは
更に顔を近付けた。
私は恥ずかしくて
仕方がなくて、
目をつぶって
必死に頭を横に振った。


「言って?
 聞きたい。」


ずるい、
ビルはずるいよ。

[ 45/59 ]

[] []