ビルが私のことを?
私が話題に出るの?


顔を真っ赤にして、
私は少し俯いた。
するとチャーリーは
ニヤニヤ笑いながら
私の顔を覗き込んだ。


「近いっ!」


思わず足を一歩引いた。


「嬉しい?
 ビルのこと好きなんだ?」


私はそんなに
わかりやすいらしい。
たった今知り合った
ビルの弟にまで、
わかってしまうなんて。


「ビルね、
 好きな子いるよ。」


俯きかけた私は
思わず顔を上げた。
何かが体中を駆け巡る。
聞きたくなかった。


「眉間、
 皺寄ってるよ。」


行動までもが
ビルに似ている。
彼が私にしたように、
少し腰を屈めて
私の眉間を指差した。


「お取り込み中のところ
 悪いけど、」


一瞬で振り返った。
だってビルの声だったから。


ヒーローみたい、
って思った。
本当にいいタイミングで
やって来る。
狙ってた?
って思うくらい。


「ビル!
 僕、クディッチのチームに
 入れたよ!
 しかもシーカー!」


目を輝かせながら
ビルに言う彼は、
いかにも弟、
って感じだ。


「良かったな。」


ビルもそれに微笑み返す。
ビルが兄弟と
一緒にいるところなんて
見たことなかったから。
凄く新鮮だ。

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