ルカン君には
申し訳なかったけど、
セレーナを連れて
談話室に逃げ込んだ。
そして階段を駆け上がり、
自室へと転がり込む。


談話室にいたら、
ビルに会ってしまう
可能性があるから。


「何よ。
 私まで巻き込まないで。」
「ご、
 ごめんっ!」


ルカン君と一緒にいたのに
引き裂くようなことを
してしまったから、
申し訳なく思い
頭を下げた。
するとセレーナは
軽く私の頭を小突いた。


「馬鹿。
 そんなことより、
 どうするつもりなの?
 応え聞いたの?」


私は黙ったまま
首を横に振った。


聞けるはず、
ないよ。
恐くて恐くて、
もう真っ暗だった。


せっかく普通に会話が
できるくらい
仲良くなったのに、
振り出しに戻る。
やっと、
見ているだけの毎日から
解放されたのに、
逆戻り。


肩を落とすのと同時に、
ため息も出た。


「ま、
 過ぎたことは
 仕方ないよ。」
「・・・うん。」
「気分転換に
 談話室でスネイプの
 課題をやって来なさい。」


扉の方を指差すセレーナ。


「嫌だよ、
 談話室には行きたくない。」


きっとセレーナは、
私とビルを
会わせたかったのだろう。
抵抗すれば、
セレーナはチッと
小さく舌打ちした。

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