「セレーナーっ!」


ルカン君と一緒に
食事中だったが、
そんなこと
考えていられなかった。
セレーナに抱き着くと、
彼女はとても
面倒くさそうな表情を見せた。


「どうしよう!
 どうしよう・・・、
 どうしよ〜う!」
「うるさい。
 なに?」


唸り続ける私に、
セレーナはため息をついた。
なんだかんだ
話を聞いてくれるのは
本当は彼女が優しいってこと。


「言っちゃった・・・。」
「誰に何を?」


私は一度、
ゴクリと唾を飲み込んでから
言葉を紡いだ。


「ビルに・・・
 好き、って。」
「よかったじゃない!
 告白したんだ?」
「よくなーい!
 言う気なんて、
 さらさらなかったのに!
 どうしよう・・・、
 気まずい。」
「普通そうだよ。
 私もルカンと
 気まずかったし。」
「そ、そうなのっ!?」


セレーナはあまり
驚くことはなく、
気が済むまで
私の話を聞いてくれた。
でも隣でルカン君が
目を丸くしていた。


「ラミって、
 ビルのこと好きなんだ?」


一人で勝手に納得する彼に、
私は急いで首を横に振った。

[ 39/59 ]

[] []