本当は少しだけ、
期待してたんだ。
就寝時間を過ぎたら
ウィーズリーが
来てくれるんじゃないかって。
監督生だからね。
だから顔が緩んでしまい、
ウィーズリーに
不思議そうにされたし、
廊下で会ったスネイプに
嫌みを言われても
大して気にすることは
なかった。


「嬉しそうだね。」


こうやってウィーズリーと
並んで歩けることが
嬉しいんだよ。


「ごめんね。
 邪魔するつもりは
 毛頭なかったんだけど、
 スネイプに見つかったら
 面倒くさいと思って。」


少し申し訳なさそうにする
彼に胸をくすぐられた。
私はウィーズリーが
来てくれたことが
何よりも嬉しいのに。
謝らないで。


「ウィーズリーの
 おかげで、
 助かった!」


気にしないで、
ってことを伝えたかったのに
出てきた言葉を
頭の中で再生すると
最低なことを
言っていた。


告白してくれた男の子を
侮辱していた。
助かったのは本当だけど
そんなこと言う女なんて
最低以下の何物でもない。


でもウィーズリーからの
返答は見当違いだった。


「やっぱり。
 皺寄ってたの
 見えたから、
 迷惑してるのかな
 って思ったんだよ。」


ウィーズリーは私の眉間を
指差しながら笑った。
眩しい!
思わず目をつぶりそうになる
笑顔を至近距離で
拝見させていただいて、
もう最高潮だった。


「迷惑じゃ・・・
 なかったけどね。」


とりあえず悪女回避のために
訂正はしておいた。

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