もう僕は自暴自棄に
なりかけていた。


「気になる人と、
 一緒にいれば
 いいじゃないか。」


溜め息混じりに言ってみると
ラミは浮かない
顔をしていた。


僕は今最低なことを
言っている。
好きだと言ったのは
僕なのに、
せっかく近付いたラミに
僕に近付くなと
言ってるような
ものじゃないか。


力が抜けてラミの
手を離しそうになった。


「違うよ。」
「何が?」
「……ちゃんと、
 いっぱい考えたよ、
 リーマスのこと。」


ラミは僕に視線を向け、
しっかりと見据えた。
僕の心臓は跳ね上がる。


「気になる人も、
 大切な人も、
 あなたよ。
 リーマス。」


二度目のキスは甘かった。
手首を窓に押さえ付けたまま、
彼女の頭も窓に押し付けた。


ラミは真っ赤な顔で、
目をつぶっていた。
僕のキスに
ひたすら耐えていた。


嫌かい?


そう聞きたかったけど
唇を離したくなかった。

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