隣の棚から姿を現した
レイブンクローの男に、
僕は足を止めた。
本を取ってもらったラミは
笑顔を見せた。


僕は醜い。


見ていたくない。
その一心で次の目的に移る。
もともと僕は図書館に
課題をやるために来たんだ。
もう自棄になって
僕はエバンズの隣の椅子に
腰掛けた。


「ルーピン?
 ラミはいないわよ?」
「そんなことは
 どうでもいい。」


僕の言葉にエバンズは
目を見開いていた。


「昨日出された
 魔法薬学の課題の内容を
 教えてくれないかい?」
「……。
 ラミに聞きなさいよ。
 私に聞かないで。」


何でもかんでも
ラミに結び付ける
彼女にイライラした。


「いい加減にしてくれ。
 僕はラミに
 会いに来たんじゃない。
 課題をしに来たんだ。」


エバンズは一瞬
口を閉ざした。
気まずそうにしている。


「それでもやっぱり
 課題のことは
 私に聞かないで。
 私、知らないの。」
「え?」


エバンズが知らない?
本当に課題なんてあるのか?
もうどうでも良くなって
お礼を口にしてから
僕は自分が確保した
テーブルに戻った。

[ 17/59 ]

[] []