ラミを寮まで
送った後、
僕達は揃って
夕食に向かった。
いつもの通り、
ジェームズは
エバンズの隣を確保して
ニヤニヤしていた。


気持ち悪いなあ。
でも僕もきっと、
人のことを言えないくらい
ラミの前では
顔が緩んでいるんだろうな。


「ポッター、
 あなたもう少し
 ルーピンを見習うといいわ。」
「なんでリーマス?」
「なんでって、
 ルーピンのような紳士は
 あなたのように
 傲慢じゃないの。」


エバンズに褒められて、
少し照れたが
一瞬で崩れ去る。


「たとえ
 想っている子の前でも、
 あなたと違って
 おしとやかなのよ。」


ガシャンという音と同時に
ラミのスープがはねた。
きっと飲んでいた
スープにスプーンを
落としてしまったのだろう。
顔を真っ赤にして
あたふたする姿は、
何とも可愛らしかった。


「リリーっ!」
「何よ、
 本当のことじゃないの。
 昨日の夜だって
 あなた私に、」
「言わなくてもいいことを
 公共の場で言わないで!」


ラミの焦りが
その場をしらけさせた。


「ご、ごめんなさい。
 ちょっとリリー来て!」


エバンズを無理矢理引っ張り
大広間から出て行った。
ジェームズはショックを
顔に浮かべていたけど
僕は気分が良かった。
思い違いじゃない。
ラミは僕を
少なからず意識している。


「ニヤニヤするなよ、
 ムーニー。」


僕はにやけ防止のため
かぼちゃジュースを
一気に飲み干した。

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