なんだか眩しくて、
目を覚ました。
医務室のベッドは
西に傾いた
日の光が向いていた。
授業が終わった頃だろう。
廊下からは話し声と
足音が聞こえる。


もう少し寝ようと
寝返りをうった時、
ベッドの傍らの椅子に
ラミがいた。


「…夢?」


本を読むラミの顔は
真剣そのものだった。
告白しようと木の下に
呼び出した時も、
彼女は本を読んでいたな。


「あ、
 起きた。」


ラミは本から僕に
視線を移した。


「大丈夫?
 具合悪いの?」


心配そうに彼女は
首を傾げた。
日の光が当たって
ラミの髪は茶色く
輝いていた。


え、
待って。
夢?
どうして?
なんでラミが
ここにいるの?


僕は体を起こして、
ラミと目の高さを
合わせた。


「あ、ブラックに
 今日リ、リーマスが
 具合悪いって聞いて
 ノートを貸してやって
 ほしいって…。
 お、お見舞いも
 兼ねて来たんだけど
 リーマス寝てたから
 ちょっと待ってよう
 って思ったから…。
 ごめん。」


申し訳なさそうに言う彼女を
抱きしめたくなった。
でもぐっと我慢した。


「どうして謝るの?
 僕が嫌がってる
 ようにでも見える?」


むしろ嬉しくて
嬉しくて仕方ないんだ。

[ 11/59 ]

[] []