時は二年前に遡る。


ホグワーツ行きの特急機関車の窓から、ジョージとフレッドは顔を出した。同じコンパートメントには兄のチャーリーとパーシー。プラットホームには泣きそうな顔をしたロンとジニー。それからアーサーとモリーは注意事項をべらべらと話している。たいして聞いていなかった話が終わると同時にフレッドは口を開いた。


「やっと家から解放されるな。」
「全くだ。ロン、ジニー、二人で庭小人の駆除、頑張れよ。」


ニタニタ顔でプラットホームの弟と妹に声をかける。すると一番近くにいたモリーが厳しく言った。


「いいですね?ホグワーツは家とは違うんですから、悪戯だけはしないように。」
「分かってるよ、ママ。」
「心配し過ぎだよ、ママ。」
「僕らはホグワーツに勉強しに行くんだ。そうだろ、ジョージ?」
「そうさ、フレッド。ロニー坊やの目はどうやったら飛び出すのか。」
「鼻はどうやったら角に変わるのか。」
「口はどうやったらタラコになるのか。」
「ちゃんと勉強してくるから心配しないでね、ママ。」


呆気に取られるモリーとロンの後ろでジニーがくすり、と笑った。

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