クィディッチ当日の朝、パトリシアは親友の元へ行ってしまい、ラミは一人で談話室にいた。ジョージは朝練で、ラミはそれを待っていようとしたが、後ろから声をかけられた。背後にはアフリカ系のトレッドヘア。


「やあラミ!今日は今年度初のクィディッチだ。俺の解説、耳かっぽじってよく聞いとけよ?」


ローブを着たリーが立っていた。相変わらずクィディッチの話になるとテンションが上がる彼に、ラミは笑った。


「あ、今日フレッド達朝練でいないだろ?朝食一緒にどう?」
「いいの?喜んで!」


双子の親友であるリー・ジョーダン。初めこそあまり親しくなかったが、今ではジョージに交じってよく話すようになった。そして、ラミの恋心を誰よりも早く、彼女自身よりも早くに見抜いていた抜かりない少年。二人で朝食をとるのは初めてで、ラミは少しばかり緊張の色を見せていた。しかしリーは何も気にすることなく、一方的に話を振っていた。何だか昔のジョージを見ているみたいで、ラミはくすりと笑った。


「俺の話、面白かった?」
「いえ、あなたが昔のジョージに似ているから。」


ラミは上品に手で口を隠しながら微笑んだ。


「私が冷たい反応しか返さなくても、構わず話してたわ。」
「それって悪印象じゃ…」
「でも今はそんなこと思ってないの。ジョージは私の話も聞いてくれるようになったから。懐かしく思っただけだから気にしないで。」


一方的に話しかけていたジョージも、今では聞き手側になってくれることも少なくない。そんなことを考えながら食事を進めていると、大広間に深紅のクィディッチユニフォームに着替えたグリフィンドール選手達が入ってきた。

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