女の子達がそそくさと退散した後、フレッドは階段を下り、ラミに近付いた。
「大丈夫だった?何もされなかった?」
心配そうに言う彼に、ラミは柔らかい笑みを見せた。
「あなた、ジョージよね?」
「驚き。本当に見分けつくようになったんだ?」
やっぱりジョージだ。嬉しそうに笑っている。ああ、でもやっぱりジョージは優しいんだ。女の子達を庇ったんだろうな。
「大丈夫?」
「ええ。ジョージ、クィディッチの練習は?」
「休憩中。」
ジョージは何気なくラミの髪に触れた。髪一本一本に神経が通っているのかもしれない。当の彼女はドキッとし、心臓をわしづかみされた気分。不思議に思いながらもジョージを見上げた。
「どうしたの?」
「嬉しかった。ラミが言い返してくれたの。俺も考えたことあるんだ。アンジェリーナ達がいれば俺いらないかなって。」
「そんなこと思ったこと一度もないっ!」
思わず声を荒げると、ジョージは髪を触っていた手を頭に載せ、微笑んだ。
「さっき言ってたの聞こえたから。俺もラミが大事だよ。」
ラミは嬉しそうにジョージの手の中で微笑んだ。しかし彼女はまだ分かっていない。ジョージへの想いが、恋なのか友情なのか、はたまた単なる依存に過ぎないのか。
2011.07.24
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