フィルチの没収品から奪ってきた羊皮紙の謎が解けた。誰がどこにいるのか一目で分かるこの地図は素晴らしい。ラミもきっと褒めてくれると思ったのに。
ジョージは部屋のベッドに背中を預け、天井を見つめながら溜め息をついた。
「おい、フレッド。またジョージが乙女だぞ。」
「そっとしといてやれよ、リー。彼女に振られて傷心中さ。」
からかってくる二人を余所に、さっきの地図を広げた。ラミの文字は女子寮のアンジェリーナ達の部屋にある。最近、あの物置部屋には戻ってないようだ。きっと仲良くやってるんだ。
ジョージは地図を折り畳み、フレッドに渡した。
「悪戯に使う以外は開かない。」
「は?」
「プライバシーの侵害だってラミに怒られた。」
少しへこみ気味のジョージに、リーは腹を抱えて笑った。
「それよりお前いつ告白すんだよ?」
「何の告白?」
「愛の告白。」
「はあ?誰にだよ。」
「ラミに決まってんだろ。」
「俺たちは友達なんだ。告白なんかするか、バカチン。」
「友達だと思ってんのはお前だけかもしれないぞ?」
「それでも友達なんだよ。最初にそう言っちまったからな。」
二人の問い掛けに疲れたのか、ジョージはトイレ行ってくる、と言って部屋から出て行った。
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