談話室に着くと、フレッドはすぐにアンジェリーナの元に行ってしまい、ラミはジョージと二人きりになった。
「はい、教科書。」
「ありがとう。それにしてもタイミング良かったわね。助かったわ!」
教科書を受け取り、ラミは嬉しそうに頬を緩ませた。するとジョージはローブのポケットから一枚の折り畳まれた羊皮紙を取り出した。大きく拡げ、中央に杖の先を添えた。
「我ここに誓う。我良からぬことを企む者なり。」
おかしな呪文の後、杖の指している部分から黒いインクが滲み出てきた。そしてそれは蜘蛛の巣のように広がっていく。
「これ…ホグワーツの地図?」
「そうさ!これが君の居場所を教えてくれたんだ。」
ジョージが指差した先は、ここグリフィンドールの談話室で、入口近くにはラミ・ヘンリー、ジョージ・ウィーズリーの文字が浮かんでいた。
「この点が人を示すんだ。」
談話室外の廊下を、アリシアと例のレイブンクローの彼が歩いていた。二つの点が動いている。
「凄いわね、これ。」
「だろ?」
「でもこれってプライバシーの侵害だわ。特に女の子の名前を追うのは良くないわ。」
きっぱりと言うと、ジョージは肩を竦めた。
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