自室に戻り、授業の準備を始めた。ウィーズリーに言った通り、ラミは占い学を選択していた。第二学年のイースター休暇中に適当に決めた占い学を選択していて良かったと初めて思った。


ウィーズリーと同じ授業なんて、集中できないわ。


そんなことを考えながら、ラミは始業ベルが鳴る前に談話室を出て教室に向かった。


「ラミ!」


ラミの名前を軽々しく呼ぶ人なんてそうそういない。と、言うかジョージ・ウィーズリー以外いない。


「実は俺も、占い学選択なんだ。一緒に行こう。」
「はあ?さっきあなた、魔法生物飼育学って…」
「誰もそんなこと言ってないぜ?」


確かに、ジョージは魔法生物飼育学を選択したなんて言ってない。ラミは盛大な溜め息をつくと、ジョージは隣で笑った。


談話室を出てからもジョージはラミの隣を歩いていた。


本当に一緒に行く気だろうか。迷惑だ。


「どうしてそんなに私に構うの?あなた友達いないの?」


言ってから後悔した。友達がいないのは、私だ。ジョージみたいな人気者には友達なんて腐るほどいるだろう。


「それは君じゃないか。」


そうよ。そうだけど。


自分でも自覚してることを、この男に指摘されるのは死ぬほど嫌だ。溢れ出そうな何かを必死に押さえ込みながら、ラミは走り出した。

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