アンジェリーナ達の女子部屋は、昔自分がいたような、ベッドが四つ並んだ部屋だった。確かに隅のベッドは誰も使っていない雰囲気を漂わせていた。ラミを部屋に押し入れると、アリシアは自分のベッドに身を投げた。アンジェリーナも同様。


「今日泊まったら?」
「いいの?」
「って言うより、もう物置部屋じゃなくてこっちに寝ればいいわ。」


気兼ねない言葉にラミは感動したが、その時部屋に入ってきた女の子に言葉を奪われる。彼女はアリシア達のルームメート。ラミが口出し出来る相手ではなかった。


「勝手なこと言わないで!この部屋には私だっているのよ。」
「彼女はパトリシアよ。パトリシア・スティンプソン。」
「アンジェリーナ、勝手に名乗らないで。」


少々言葉のきつい彼女に、アンジェリーナは肩を竦めた。


「だいたいなんでこの部屋なのよ。」
「いいじゃない。ラミだって一人の女の子よ。それより、ラミはジョージとどうなったの?」
「ア、アリシア!?」


初対面のパトリシアの前でそんなことを聞かれ、ラミは思わず声をあげる。するとその瞬間、パトリシアがずい、とラミに歩み寄る。


「なに?ジョージと付き合ってるの?」


興味津々なパトリシアに対し、あたふたするラミ。ベッドにねっころがる二人は声を上げて笑った。そしてアリシアが言う。


「パトリシアってね、女の子の恋愛話に目がないのよ。」

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