ラミは好物のグミとヌガーを購入した後、ジョージにソフトクリームを買ってもらい、表に出てから嬉しそうに頬張った。


「美味い?」
「とっても!」


味はごく一般的なチョコレート味。ジョージは一般的過ぎてつまらない、って言っていたけれど、なんだかんだちゃんと買ってくれた。ベンチに座り、二人は穏やかな時間を過ごしていた。すると、道の向かい側から物凄い視線を感じ、見ると同い年の男子グループがこちらを見ていた。ソフトクリームに夢中なラミに対し、素早く気付いたジョージは少しむっとする。羨ましいだろ、と鼻が高くなる。


「ジョージも食べる?」
「え?」
「あ…」


自分の発言が大胆だったことに気付き、慌てて訂正する。


「で、でも食べちゃったし…」
「一口ちょうだい」


ジョージはさりげなくラミに寄り添い、ソフトクリームに口を持って行った。今までラミが舐めていたソフトクリーム。自然と顔が近くなったジョージと、間接キスという事実にラミはこれまでにないほど顔を赤く染めた。


「ん、美味い。」


顔を離し、何事もなかったかのようにジョージは微笑んだ。対しラミは口をぱくぱくさせ、明らかに動揺していた。


「ラミ?溶けるよ?」


はっと気付き、ラミはソフトクリームを舐めた。再び夢中になるラミから目を離し、さっきこちらを見ていた男子の方を向く。


羨ましいだろ


これでもかと自慢していたが、内心ジョージもドキドキだった。

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