なんだかんだ文句を言っていたアンジェリーナも、ジョージの謝罪を聞くと満足したのか、フレッドと手を繋いで立ち去った。そんな二人の後ろ姿を見て、ジョージは溜め息をつく。


「ラミに友達ができたのは嬉しいけど、アンジェリーナが敵に回ると怖いな。」
「そうだね。」
「じゃあハニーデュークスに行くか。」


フレッドとは違い、ジョージは隣の女の子とは手を繋げなかった。さっきは何故普通に手を引っ張れたのだろう?と不思議に思った。


ハニーデュークスはゾンコほど混んではなかった。ラミも目を輝かせていたから、ジョージは安堵する。


「さっきのお詫びに買ってやるよ!」
「え?いいよ、さっきのは私が悪かったし。」
「いいからいいから。」


先に店に入るジョージの後を追った。店内は結構賑わっていた。飴やらガムやらグミやらが入った、たくさんの瓶が棚に並んでいた。
初めて見る物ばかりで、ラミはキョロキョロと見回す。そんな姿がほほえましく、ジョージの胸をくすぐった。


「凄いね、いっぱい!見て見て!ペロペロ酸飴ですって」
「あ、それ昔フレッドがロンにあげて、酸で舌に穴が開いたんだ。気をつけろよ?」


ジョージの昔話にぞっとした。ロンを哀れに思うと同時に、やはり彼らは面白いのだと思い知らされる。


「あ、黒胡椒キャンディ。昔くれたよね。」
「ああ、食べた?」
「まだ部屋にあるわ。」


黒胡椒キャンディのある棚には『特殊効果』と書いてあり、キャンディの説明文を見て、心底食べなくて良かったとラミは思った。


「ジョージ、好きそうね。」
「ああ、次の悪戯に使えそうだ!」
「この、ゴキブリ・ゴソゴソ豆板って何かしら?」


異常な味、と書かれた棚にラミは手を延ばした。慌ててジョージは止める。


「看板見たかい?この棚はやばいぜ?」


あんなに悪戯好きなのに、どうやらラミには甘いらしい。ラミはジョージらしくない、と言って笑った。

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