ホグワーツ特急を降り、ホグズミード駅を出ると、そこは小さな村だった。一本の中央の道に沿うようにたくさんの店舗が立ち並んでいる。


「どこから行く?俺としてはゾンコがオススメ。」
「ホグズミード来たことあるの?」
「ラミにあげた羽ペン、ここで買ったんだよ?」


そんなこともあったな、と自嘲気味に笑った。


「でもどうやって?汽車もないのに。」
「なめないで頂きたい。実は学校から村への抜け道があってね。」
「へえ、凄い!」


昔に比べ随分素直に感情を示すようになったラミ。ジョージは頭を掻きながら、少し照れていた。


「じゃあ、そのゾンコに連れてって?」
「仰せのままに。」


わざとらしく言ったジョージに、ラミはクスクス笑う。人混みを抜け、店に着いても、そこは人混みだった。


「混んでるね。」
「負けるな、ラミ!」


ジョージはラミの手を掴み、店に突入した。中も人だらけ。更には笑い声までもが耳に響き、ラミは居た堪れなくなった。やはり人は苦手だ。人混みも同様、苦手だ。しかしジョージに手を掴まれ、楽しげに商品を見るジョージに口を挟むことは出来なかった。その時だった。


「ジョージ!」


アンジェリーナの声が耳に響いた。隣にはフレッドに腕を掴まれた彼女がいた。


「おお、ジョージ!久しいな!」
「フレッドじゃないか!」


目の前で再会劇を繰り広げる双子の頭を、アンジェリーナは思いっきり叩いた。

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