大理石の階段を下りた先に、ジョージとフレッドがいた。ラミは顔を綻ばせ、ジョージに駆け寄った。すると、フレッドは驚いたように声を上げた。


「たまげた!いつの間に俺らを見分けられるようになったんだい?」
「え?」


あ、確かに、とラミは考え込んだが、分からなかったので代わりに笑顔を振り撒いた。


「あ…」


思わず顔をそらすジョージに、フレッドはニヤリと笑った。そしてジョージの肩に手をおき、それから何も言わずにアンジェリーナの元に向かった。


「じゃあね、ラミ、ジョージ!」
「あ、また後で!」


ラミが振り返ると、フレッドがアンジェリーナの肩に手を回し、彼女がその手を抓っているところだった。


「あ、アリシアは?」
「私もお目当ての人、いるのよ。じゃあね、ラミ。」


玄関から出て行くアリシアに、ラミは慌てて手を振った。そんな彼女の姿を、ジョージは嬉しそうに眺めた。


「良かったな。」
「え?」


ジョージの優しい眼差しと言葉の意味が分かり、ラミは再び笑顔を向ける。


「ジョージのおかげよ。」
「ホグワーツも悪くないだろ?」
「ええ!」


ジョージは飛び切りの笑顔を見せるラミの手を引っ張った。


「俺たちも行こう!」


人が嫌いだった。人の温もりが苦手だった。そんな彼女を変えたのは、ジョージだ。彼女の見る世界を変えたのも、紛れも無く、ジョージだった。

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