昨晩どうして機嫌が悪かったのか気になったが、過ぎたことだからもういい、と諦めた。


教室移動も一緒にしてくれた。隣の席に座って分からないところは教えてくれた。


たったそれだけ。ジョージが隣にいてくれるだけで、初めてこの世界は色づく。モノクロの世界を、変えてくれたのは紛れも無くジョージだ。


「あ、」


隣に座って面倒くさそうに授業のノートをとるジョージは、小さく声を上げたラミの方を見た。すると、ラミもジョージの方を向いた。


「ジョージ、私に許してもらえるなら何でもするって言ったよね?」


小声で話すラミにドキリとする。彼女は少し口角を上げていた。


「言ってないよ?」


ジョージはラミから視線をそらしながらごまかした。でも確かに何でもするとは言ってなかった。


「どうしたら許してくれるかって聞いたわ。」
「素晴らしい記憶力をお持ちのようで。」


茶化すジョージにラミはだんだん不満が募る。そんなラミを見て、ジョージは困ったように溜め息をついた。


「どうしたら許してくれますか?」


観念したように彼は尋ねる。その瞬間ラミは嬉しそうに笑顔を見せた。


「ホグズミード、一緒に行ってほしいの。」

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