同じ頃、ジョージがフレッドに連れられて行ったのはフィルチの事務所だった。


「な、なんでだよ!?」


部屋の目の前で手を引くフレッドを引き止めた。


「さっき廊下に仕掛けた糞爆弾をフィルチに向かって爆発させたんだ。奴はその場にいなかった俺達を疑った。」


フレッドはいつにもなく真剣にジョージに向かった。そして続ける。


「俺としてもフィルチに従って呼び出しに応じるなんて、不本意すぎる。だが、思い出せ。」
「ああ、思い出したぜ。」


片割れの言葉にジョージは頷いた。どうやら双子は常に以心伝心らしい。


「今日こそフィルチの書類棚の引き出しを探るぞ。」


二人はお互いに顔を見合わせてから頷き、フィルチの元へと向かった。


そのあと言うまでもなくジョージがフィルチの事務所で糞爆弾を爆発させ、その間にフレッドが『没収品・特に危険』の引き出しから一枚の羊皮紙をつかみ取った。


「ウィーズリー!!」


まるで地獄の門番のような声で叫んだが、時すでに遅し。


「さらばだフィルチ!」


二人はそのまま寮まで走って帰ろうとした。だが、ジョージは大理石の階段で信じられないものを目にした。

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