今日はビンズによる魔法史の授業がある。
「つまらん。」
隣でジョージは羊皮紙に新しい、悪戯商品か何かの絵を描きながら言った。さすがのラミもゴーストによる単調授業はつまらなくて、放心状態に陥る。
すっかり睡眠をとった後の授業は魔法薬学。グリフィンドール生は揃って溜め息をこぼす。
またしても隣に座ったジョージは何かを必死に書いていた。
偉いな、なんて思った矢先、ジョージは顔を上げてこちらを見た。
「ラミ、見て。」
そう言って彼は自分の羊皮紙を差し出した。そこに描かれていたのは、ジョージが描いたであろうスネイプの似顔絵だった。吹き出しからは「スリザリンこそ神だ!」なんて書いてあった。
くすりと笑った瞬間、視界を影が覆った。恐る恐る顔を上げれば、思った通り、スネイプがいた。この見下した感じがとても嫌だ。
「ミス・ヘンリー、我輩の授業の何が面白かったのかね?」
「いや…特に…、」
そーっと羊皮紙をジョージの方に戻そうとしたがジョージは知らんぷりしている。
「何かね?これは。」
その瞬間、羊皮紙はスネイプの手中にあった。ちらりと見たら、ジョージも顔を青くしていた。
「ミス・ヘンリー、絵のセンスがないようにお見受けできるが。」
「それは、ジョージ・ウィーズリーが…」
「ウィーズリー!」
突然の大きな声に、ラミとジョージは揃って肩を縮めた。
―――
廊下には大きな足音が響いていた。その後ろを身を小さくして歩くのはジョージ。
「信じられないわ!」
ぶつぶつと文句を言う。言っても何も変わらないけれど。
「そんなこと言うなよ。」
「言うわよ!あなたが変な絵なんて描くから、スネイプに罰則を与えられたのよ。」
「でも似てただろ?」
「調子に乗らないで。罰則を受けるなんて初めてだわ。今日は予習をしようと思ってたのに。」
イライラしながらラミは言い放つ。
「まあまあ落ち着けって。初めての罰則が俺と一緒なんて、君はついてるぜ?」
ジョージの適当な発言にラミのイライラは増す。今日の放課後は図書館に行って、ルーン語の予習をするつもりだったのに。ジョージが教えてほしいって言ったから、爆発ゲームの勝敗関係なしに(実際ラミはジョージに負けた)教えてあげようと思ったのに。
「それに俺だってクディッチの練習があるんだ。ウッドに殺される。」
ジョージも抗議すると、ラミは私の知ったことじゃないわ、と更に怒りを増していた。
[ 27/148 ]
[←] [→]