大広間は生徒で溢れかえっていた。ロンとハーマイオニーは並んで座っていた。ジョージはグリフィンドールのテーブルに座り、ラミを探した。


だが、どれほど探してもラミの姿は見付けられなかった。


さっき図書館で腕を掴んで引き止めてしまった。会えば気まずくなるのは間違いないが、会えないなんて以っての外だった。


「よう、相棒。」


フレッドは隣に座り、話し掛けてきた。リーは前に座る。


「今回の罰則は何だ?また掃除か?」


ニヤニヤするリーに、ジョージは溜め息をついた。


「そんなに楽じゃないさ。真実薬についてのレポート、1メートル40センチ。」
「うげ。」


フレッドは予想外の酷さに驚きを見せた。確かに1メートル40センチも書けるはずがない。


「真実薬?なんで今更?」
「さあ?」


リーの問い掛けに返事をした時、大広間にハリーが入って来た。ハリーを見付けたフレッドが片手を上げた。


「やあ、ハリー。」
「フレッド。」


ハリーはロンの方に向かう前に、ジョージとフレッドの前で足を止めた。


「あの、ヘンリーって人…」
「見かけたのかい?」


ジョージはすかさず尋ねた。フレッドはそんなジョージを横目で見つめた。


「うん。中庭にいたよ。」
「ハリー!」


ようやく気付いたのか、ロンがハリーを呼んだ。ハリーが離れて行くと、フレッドとリーは揃ってジョージに視線を向けた。


「ヘンリーって性格悪いの?」


リーはミートパイに手を延ばしながら尋ねた。直ぐさま返事をするのはもちろんジョージ。


「そんなことない。全然いい子だよ。」
「喧嘩してるのに?」
「誰が喧嘩してるのさ?」
「してないのかい?」
「してないぜ。」


尽きない双子の会話にリーは笑った。


「それより新しい悪戯商品のことだけど、良いアイデアがあるんだよ。」


興奮状態のフレッドに二人は耳を傾けた。

[ 15/148 ]

[] []