アンジェリーナがフレッドに何を言ったのか、ラミには凄く気になった。次の日から、リーとフレッドは再び彼女達と食事をとるようになったのだ。しかし、そこにはジョージの姿だけない。
「……。」
ラミは何も言わずに食事をすすめた。ジョージは、グリフィンドールの端の席でマリスと二人。ジョージとラミを見比べる周りの視線が彼女の背中に突き刺さった。そんな暗い空気の中、フレッドは恐る恐る口を開いた。
「あの…元気出せよ…」
フレッドの言葉自体に元気を感じられない。そしてアンジェリーナとアリシアからの冷え切った視線に、身震いをする。
「あなたが言えたことじゃないわよ。」
「でも俺はちゃんとこっちに戻って来ただろ?アンジェリーナのために。」
再び冷たい視線がフレッドに向けられる。
「あいつ、何考えてるんだろうな。」
「リーは最初から胡散臭いと思ってたの?」
「何となく。何か企んでるな、とは思った。」
「俺も俺も。」
軽口を叩くフレッドに睨みを効かせ、彼はようやく黙り込んだ。
もし本当に何かの目的があって彼らに近付いたとしても、ジョージがそれを信じることはない。それがジョージの良いところでもあり、ラミはそれを分かっている。だからこそ、何も口出したり出来ないのだ。
「ラミは嫌じゃないの?」
ふと振られた言葉に、ラミは顔を上げた。嫌か嫌じゃないかと聞かれれば、勿論答えは前者。しかし、
「私に口出しできる権利はないわ。」
恋人も友人も比べられないほど大切だとたということは、ラミには痛いほど心に刻み付けられている。もしマリスが本当にジョージの大事な友人であるならば、彼女は我慢する他ないのだ。
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