閉められたカーテンの隙間から朝日が入り込む。そんな談話室の静けさを一人噛み締めていた。そこに身支度を済ませたフレッドが階段を下りてきた。朝メシ朝メシ、と鼻歌を歌いながら機嫌が良さそうだ。


「お、ラミ。おはよう。」
「おはよう、フレッド。」


その後ろからリーが、そして少し経ってからアンジェリーナとアリシアも下りてきた。そしてジョージも。ラミはすかさず挨拶をしようとしたが。


「おは…」
「フレッド、待てよ。」


ジョージの声に掻き消された。そして彼はラミとは目も合わさずに隣を通り過ぎ、フレッドの元へ向かった。ラミの動きがピタリと止まった。そんなことには気付かない双子はそのまま二人で談話室から出ていってしまった。


「何あれ?」


アンジェリーナが呆れたように声を漏らした。その隣でリーが困ったように頭を掻いていた。


「あ、じゃあ俺も行くから。」


そう言ってリーも二人を追って談話室を出た。女性陣は彼らの不快な行動に顔をしかめていた。


女子だけの食事は久しぶりだった。そこにはジョージもフレッドもいない。彼らは少し離れたグリフィンドールのテーブルで楽しげに食事をしていた。


「ラミ、ジョージと喧嘩した?」


アンジェリーナの問い掛けにラミは首を横に振った。そして同じ質問を彼女に返すとアンジェリーナも同じ反応をした。


「またどうせ悪戯商品の開発じゃない?」
「だとしても、私達を置いて行くようなこと今までにあった?」


二人の会話を耳にしながら、ラミはもくもくと食事を進めた。彼らの不可解な行動の真意は分からず、それを憶測で話したりしたくなかったのだ。

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