ジョージの姿を見ると、少し苛立った。ああやってフレッドとリーと一緒に悪戯を考えている間も、自分とあの女の子を比べているのかな、と馬鹿げた考えが頭に浮かぶ。最近はジョージと目が合うとすぐにそらしてしまうし、話し掛けられても逃げてしまう。振られてしまうのが恐いのだが、このまま避け続けたら本当に捨てられてしまう。


「ラミ、ちょっと付き合って!」


丁度談話室にはアンジェリーナはいなかった。ジョージもいない。フレッドが何の用事だろう、と考えながら彼に連れられて談話室を出た。フレッドと二人きりになるのは結構珍しい。


「なに?」
「アンジェリーナのことなんだけど、」
「泣いてたわよ。」


ラミの言葉にフレッドは目を丸くしていた。それで彼女は少し不安になった。フレッドがアンジェリーナ以外を好きになるとは思えなかったが。


「…アンジェリーナのこと、好きじゃなくなったの?」
「勿論愛してるさ。」
「じゃあどうして、すぐに告白断らなかったの?」
「……色々あるんだよ。で、君を呼び出したのは相談があるんだ。アンジェリーナと話したい。思ったより避けられてるみたいでさ。」


フレッドも悩むことがあるんだ、と意外に思いながらも、フレッドの要求をのんだ。チャンスを作ってあげると約束すると、フレッドは嬉しそうに笑った。


「ラミも早くジョージと仲直りしろよ!」

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