「ラミ?」
食事中、やけに口が動いていないラミを心配し、ジョージが声を掛けた。その優しさまでもが今では苦しい。
「ジョージ、また何かしたんじゃないでしょうね?」
「俺何かした?」
隣のアンジェリーナも尋ねた。ジョージも心配そうに眉を下げていた。何となく、この場所にいたくなくなった。ラミはフォークを置き、立ち上がった。
「課題終わってなかったの忘れたわ。早くやらなきゃ。」
二人に微笑み掛け、ラミは大広間の入口に向かって歩いた。すると丁度、セドリックが入って来るのが見えた。ラミは思わず駆け寄る。
「こんにちは、セドリック!」
「はは、もう夜だけどね。」
セドリックと話すと、ジョージのことを忘れられた。告白のことも。
「また何か悩んでる?」
「……私、振られるかもしれないわ。」
悲しげな表情を隠すように、ラミはにこりと笑った。意表を突かれたセドリックは、大広間から出て行くラミを追うことは出来なかった。そしてジョージに対し、再び怒りを感じる。
どうして両想いのはずが、付き合い出してからもこんなにすれ違ってばかりなのか。ひそかにラミに想いを寄せていたセドリックは、自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。その腹いせか、セドリックは席につくと、ジョージに向かってアーモンドを飛ばしまくった。
「さっきラミと話してたな。」
セドリックのルームメイトの友人だ。ラミにラブレターを出し、二回も告白をした。セドリックの想いにも気付いていたが、二人して振られたものだから、気まずかった空気はなくなっていた。セドリックは告白する前にラミがジョージと付き合い出し、告白することも出来なかったのだが。そもそもラミはセドリックがレイブンクローの女の子が好きだと思っているのだ。
「…よく見てるな。」
「なんだ?惚気られたのか?」
心底楽しそうに尋ねた。どうやら吹っ切れたらしいのだが、セドリックは始終ぶすっとしていた。
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