トイレでの騒動をどこからか聞き付けたのか、昼食時にジョージはフレッドとリーを引き連れてラミに近付いた。大広間で食事をしていた彼女は隣に座ったジョージに顔を上げた。すると嬉しそうに微笑んだ。


「喧嘩したんだって?」
「売られたから買ったのよ。」


はは、と笑ってジョージも食事に取り掛かった。そこで前に座っていたアンジェリーナが声を掛ける。


「雪降ってるの。食べ終わったら中庭行かない?」
「行く!」
「俺も!」


ラミが元気に返事をすると同時に、双子は声を揃えて話に割り込んだ。すごいハモり方、と少し感心する。大広間の窓からも少し外が見える。真っ白い雪が舞い降りていた。


中庭での雪合戦は毎年の恒例らしく、慣れた感じでリーが何度目かのチーム分けを発表している。ラミは少し前から休憩、と言って東寄りのベンチに腰を下ろしている。


彼らが毎年雪合戦やら雪だるま作りやらマグルの遊びをしているのは、ラミでも知っていた。しかしまさか自分がそこに入るとは思ってもみなかった。


何もかも、今見ているこんなに素敵な景色をくれたのはジョージなんだ。


しばらくして、ジョージも疲れた、と言って隣に腰を下ろす。


「ラミもやればいいのに。」
「見てるだけでも楽しいわ。」
「楽しい?」
「ええ、とっても!」


本当に嬉しそうに、ラミは笑顔を向けた。

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