恐る恐る談話室に踏み込むと、いつものように賑わっていた。ラミは大きく深呼吸をし、隣のジョージに合図を送る。するとジョージは最後に力強く大丈夫、と言ってからラミの手を引いた。
「ラミっ!」
いち早く気付いたのはリーだ。隣にはフレッドもいる。そこにアンジェリーナとアリシアはいなかった。駆け寄って来た二人はラミとジョージを交互に見てから、最終的にその視線は繋がれた手に向かった。ラミは思わず離そうとしたが、ジョージが先にぐっと力を込め、離さなかった。
「なんだよ、仲直りしたならそうと言ってくれよ。」
呆れながらも嬉しそうにフレッドは言った。そしてリーも、からかい混じりの祝福を述べる。
「仲直り以上のことになってるけどな。」
照れたようにジョージは頭を掻いた。ラミも少し頬を赤く染めた。その時、女子寮の階段からドタドタと駆け降りる音が響いた。談話室に現れた二人。アンジェリーナはラミの姿を捉えると、駆け寄って勢い良く抱き着いた。
「心配したのよ!」
「ごめんね…アンジェリーナ。アリシアも。」
するとアンジェリーナは少しだけ離れ、見たこともないような笑顔でラミの頭を力強く撫でた。
「で、ジョージ!あなたラミに謝ったの?」
「もちろん。快く許してもらえたさ。」
「次何かあったら、地獄に堕とすっていう条件の上でね。」
「ラミは相変わらずツンデレだなあ。さっきはそんなこと言ってなかったのに。」
ニヤニヤしているジョージの頭をラミは叩いた。軽くね、軽く。
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