相変わらずラミは振り返らず、ジョージは細い手首を掴んだだけだった。ラミの甲高い訴えに、ジョージは俯き、ボソリと言葉を紡いだ。
「セドリックが考えてくれたんだよ。ラミが二度と話してくれないと思ったから…」
「おっしゃる通りよ!二度と言葉を交わしたりなんか…!」
続きはジョージの行動によって掻き消された。ジョージはラミの手首を引っ張り、体を反転させると、己の腕に閉じ込めた。調度いい身長差で、ジョージはラミの肩に顔を埋めた。
「えっ、なっ、…」
上手く頭が回らない。それと同時に、ジョージの体が自分よりも随分大きくてがっしりしていることをインプットされる。怒っていたはずのラミだが、自然と怒りは薄れていた。
「ごめん…、違うんだ。ずっとセドリックに嫉妬してただけだったんだ。」
クィディッチのユニホームにラミは頬を擦られ、少し痛かった。
「だから、本当はずっと友達やめたかった。」
悲痛混じりの声が、ラミの耳を撫でた。ジョージは更に力を篭め、ラミとの距離を縮めた。
「ラミのことが好きなんだよ。」
言われた瞬間、ラミはジョージとの体の隙間に手を入れ、彼のユニホームの胸元を掴んだ。
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