放心状態の二日間が経った。授業を休み、食事も儘ならない。皆が授業の間にお手洗いに行ったり、生きるための必要最低限の事しかしない。ああ、食事もしてないんだから最低限のことさえしてないのか。愚かしい自分に、自嘲の笑いさえ出なかった。


その時だ。部屋の扉を、カリカリ、と爪のような物で掛かれる音がした。ネズミか何かだろうか、とラミは重い腰を上げた。


「……梟?」


扉を開けると、隙間から梟が入り込んだ。ベッドの上に留まると、ラミの方に嘴を突き出す。白い封筒を受け取り、中の手紙を出した。差出人はセドリックだった。


『聞いたよ。授業にも出てないんだって?ジョージが君に何か言ったんだろうけど、僕は何もしてない。勝手に縁を切られるのは、道理に反するよね?会って話がしたい。今日の夕食時に、図書館で待ってる。誰もいないだろうから、絶対来てくれ。』


今更セドリックが何の用だ?ラミは不信がったが、とくに気にもとめなかった。


確かに、セドリックの言うことには頷ける。ジョージとの縁を切ったからと言って、それが他の人にまで適応されてしまうのは、おかしい。仕方がない。行くしかないのだ、と梟の嘴に指を遊ばせながら、ラミは決心した。

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