授業中ジョージはずっと頭を抱え込んでいた。彼女を相当傷付けただろう。一分に一回は溜め息をつく片割れにフレッドも溜め息をついた。
「ジョージ・ウィーズリー。」
嫌味ったらしく名前を呼ばれても気付かないジョージに、フレッドは腕で突いた。
「!はい。」
「君は何度グリフィンドールの点を減らせば気が済むのかね?」
「そうですねえ、あなたがこの学校にいる限り減らし続けると思いますよ。」
くすくすと教室内がざわめいた。スネイプが一つ溜め息をつくと、今回の罰則について話し出した。ジョージはまたかあ、と文句を口にした。
―――
昼食を取るためにラミは大広間へ向かっていた。その時だった。
「やあ、ラミ。」
ウィーズリーはすかさずラミに声を掛ける。一度視線を向け、再び前に戻した。
「私、あなたと挨拶を交わすほど仲良くなった覚えはないわ。」
「つれないねえ。」
足を止めたウィーズリーにラミは振り向く。
「フレッド・ウィーズリー、私が騙されるとでも?」
得意げに言うラミに、双子の片割れは開いた口が塞がらなかった。
「見分けがつくのかい?」
フレッドの問い掛けをラミは無視した。大広間に入ると、いつものようにテーブルの上にはたくさんの料理が並んでいた。ラミはテーブルの隅に座り皿に料理を取った。
フレッドはラミに構わず隣に座った。そしてひたすら話し掛ける。
「ジョージと何かあったのかい?」
「…」
「占い学の時はどうしていなかったのかい?」
「……」
「どうしていつも一人で食べてるんだ?」
ラミの青筋が浮き上がった。
双子っていうのは顔だけじゃなく、性格まで似るの?
「ジョージの奴がさあ、」
「うるさいわ。」
食事を口に運びながら言った。隣でフレッドは目を丸くしていた。そして口の中の物を飲み込むと、再び口を開いた。
「しつこいわよ、フレッド・ウィーズリー。」
「そんな言い方しなくても。」
フレッドは肩を竦めた。ラミは水を飲み干し、席を立った。フレッドもついていこうとしたが、ラミがそれを阻む。
「ちゃんと食事を取った方がいいわ。放課後はクディッチの練習でしょ?」
微かにラミの口角が上がったのが分かった。
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