ラミは寮に駆け込んだ。不穏な空気が談話室に漂う中、フレッドとリー、アンジェリーナはジョージに近寄った。


「何言ってんの、お前。」


明らかに怒っている声。フレッドはジョージを睨み付けていた。


「あんなこと言うつもりは…」


ジョージも辛そうに言葉を紡ぐ。アンジェリーナは心底呆れたように大きく溜め息をついた。


「それでも言ったんだよ!お前は最低なことをラミに言った!あいつがどれだけ人間関係に敏感で怖がってるのか、お前今まで一番側にいて、気付かないのか!?」


リーも怒鳴った。こんなにもラミのために怒ってくれる友達がいる。本当に変わったんだ、ラミは、とジョージは切なくなった。出来れば、自分だけのものに、しておきたかった。愚かな考えが蘇った。昔、ラミと友達になったばかりの時もそう考えたことがあった。


「…こんなにも想ってくれる友達がいれば、俺がいなくても大丈夫だよ。」


フレッドはジョージを殴り飛ばそうと腕を振り上げた時、それはアリシアの言葉に掻き消された。


「ラミが…っ!」

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