談話室の扉は酷く重く感じた。部屋の一角のソファーにジョージを見付ける。ラミは緊張した面持ちで彼に歩み寄った。


しつこい?うざい?


聞きたいことはたくさんあった。しかし出てきたのは溜め込んだ言葉。


「ジョージの馬鹿!」
「なっ!?」


周りを気にせず、荒げた声は部屋に響いた。皆が見ていた。別に構わない。今までだってそうだった。無駄に視線を集めて。ジョージのおかげで気にしなくなっただけ。


「どうして今更なの?私のこと嫌いになった?どうして…、今になって捨てるなら、どうしてあの時追い掛けて来たの?最初から捨てるつもりなら、どうして…!」


言葉が詰まった。先に涙が溢れそうになったから、必死で止めた。泣かない。弱さを見せない。つもりだったのに。


「……じゃあ、友達やめるか。」


目の前が真っ白になった。足がガクガク震え、全身の力がすーと抜けていく。己が弱々しく感じる。


「どうして…、そうなるの…」


ジョージは何も答えなかった。意味が分からない。何故そんなことを言われなければならない?


分かったことはただ一つ。私は結局一人だ。

[ 103/148 ]

[←] []