こんなことになるなら、ジョージ以外いらなかった、なんて一瞬でも考えた私は愚かだ。ジョージと出会ってから確実に私は弱くなった。周りの目を気にするようになった。人混みにも入れるようになった。人と話すのが嫌じゃなくなった。変わった所はたくさんあった。なのに変わったのは自分だけ、なんてどうして思ったのだろう。私が変わったなら、確実にジョージだって…。


大きな溜め息が、空に浮かんだ。前まではきっとジョージが来て、溜め息ついたら幸せ逃げる!って言って側にいてくれただろうに。笑ってくれただろうに。


何故こうなった?私がセドリックにあんな話をしたから?何処からやり直せば上手くいく?私はジョージ以外と仲良くするべきじゃなかったの?


次から次へと疑問は浮かび、未消化のまま何処かへいく。ジョージが恋しい。会いたい。会って話をして、名前を呼んでほしい。それから頭を撫でてほしい。笑顔を見せてほしい。隣にいてほしい。


私のこの欲を満たせるのはジョージしかいない。セドリックじゃない。


意を決して、ラミは立ち上がった。向かう先は談話室。ジョージに会いに。

2011.08.01

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