胸に突っ掛かった何かが、すーと消化された。安堵の表情を見せるラミに、セドリックは優しく微笑んだ。


「伝えないのかい?」
「伝える?何を?」
「その気持ち。」
「そんな!恐れ多いよ…」


セドリックは少し困ったように眉を寄せた。しかしラミはそんな彼には気付くことなく、話を振った。


「セドリックは?その…、特別な人とか、いないの?」


すると彼は照れたように頭を掻いた。ああ、いるんだ、と確信し、ラミは身を乗り出す。


「ああ…、一つ年下のね。」
「セドリック照れてる!」
「そりゃ照れるさ。ラミもだろ?」


自分の気持ちを曝け出したのだと再確認すると、ラミも照れ隠しに頭を掻いた。同じ行動をする二人は、顔を赤くしながら笑い合った。


「セドリックは?伝えないの?」
「そうだな、まだいいかな。」
「早くしないと取られちゃうわよ?」
「それ、君が言う?」


なんだか可笑しくなって、二人は再び笑い合った。

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