フレッドとジョージは二年の終わりになる頃には、誰もが知る有名人、かつ女の子には相当もてるようになっていた。


「聞いたぞ、フレッド。お前今度はハッフルパフのフォーセットに告白されたんだってな?」
「ああ、されたよ、ジョージ。大理石の廊下で真っ直ぐ俺の目を見てさ、“前から好きだったの、ジョージ”って。笑っちゃうね。だから聞いてやったんだ。弟の何が好きなんだい?ってね。顔を真っ青にして走り去ったよ。」


えげつないことをするな、とジョージは少し呆れを見せたが、そういう間違いは少なくなかった。告白の半分はフレッドとの間違い。ただジョージはフレッドのようなことは言わず、黙って聞き流していたが。


いつか俺を真っ直ぐに見てくれる人が現れてくれたらな、とジョージもいつの間にか年頃の男の子になっていた。フレッドやリー、アンジェリーナ、アリシア、先輩にあたるウッド、後輩にあたるケイティなど、新しい仲間を増やしながら、ジョージは確実に成長していた。


「ウィーズリー、今回の罰則は階段の雑巾掛けをしてもらおうか。もちろん、下から上まで。何日かかろうと、やってもらうぞ!」


悪戯のレパートリーも増え、フィルチとの対決もレベルを上げて行った。今回の罰則は、あの動く階段の床掃除。


「下から上って、何段あると思う?」
「そうだな、一万くらい?」


最初の頃は笑っていた三人だが、日を追うごとに精神的に参ってしまった。

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