もしかして、無駄な気を遣わせてしまったのではないか、と不安になった。先輩を適当に遇って、いなくなった子猫丸を探した。すぐに追い掛けたから、苦労せずに見付かったのだが。子猫丸は中庭の芝生で、マイ猫じゃらしでクロとじゃれあっていた。可愛い、と率直に思う。私のタイプは、かっこいいイケメンだったのになあ、と自嘲。


「子猫丸。」


私は子猫丸の隣に腰を下ろした。びっくりしてこちらを見ている子猫丸の手から、鈴がついた猫じゃらしを奪い取り、クロの前にちらつかせた。可愛い。


「…話、終わったんですか?」
「話なんてないよ。」
「せやけど…」
「私は、子猫丸と一緒にいたいから来たんだけど。迷惑?」
「そないなことあらしません!」


突然の張り上げた声に、クロはびっくりしてその場を去ってしまった。子猫丸は、気まずくなったのか、視線をそらすように俯いた。


「せやけど、僕小さいし…、背伸ばへんし。」
「子猫丸、こっち見て。」


ゆっくりこちらを見た。私は子猫丸の頬を両手で挟んだ。


「隣に座れば、身長差なんてないんだよ?」
「名前さん…。僕、志摩さんのこと言えへんくらい、煩悩塗れになっとりました。」


確かに子猫丸はいつも女の子女の子言っている志摩を注意していたし。そもそも、本当に、心底、子猫丸には色恋沙汰は似合わないと思う。そんな彼が本当に私のことが好き?


「私も、頭の中、子猫丸でいっぱいだよ?」
「え?ほんまですか?」
「ほんまほんま。好きだよ、子猫丸。」


友達としてしか見れなかったのに。いつの間にか変わってた。キスもその先も想像なんて出来ないけど、一緒に乗り越えていける。


「ありがとうございます、名前さん。」


こんな時にもお礼を言うなんて、律儀だ。子猫丸らしい。


子猫丸は眼鏡の奥で目を細めて、笑っていた。


―――


はいまた中途半端完結
読む意味あるのかコレ
クオリティー低い

2011.09.06


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