美少年発見 おまけ



朝起きたらまずめちゃくちゃ頭が痛かった。昨日飲みすぎたのかなあ、でも今日休みだからいいやなんて思いながら寝返りを打つと、はとりが怒ったような顔をしながらわたしの隣に横になっていた。あれ、はとりがいる。なんで?あれ、よく見たらここはとりの家だしこれ、はとりの布団。あれ…?なんで?昨日れいちゃんと飲んでたはず…いや、なんかもしかしたらはとりいたかも…そういえば天使みたいな美少年もいたかも…あっ、美少年!いや、初対面の美少年に絡んだんだ!

「おはよ。思い出した?」
「は、はとり…昨日という日をやり直したい」
「酔っ払うまで飲むなって俺言ったよね」
「ごめんなさい…返す言葉もありません…」
「あとできちんと謝ること。槙には俺が伝えるから」
「じゃあ今から土下座するから写メ撮って」
「ふつうに反省してるって伝えるだけだから」

それで海より深く反省したわたしの気持ちは伝わるんだろうか心配になったけど、この激しい二日酔いで土下座したらたぶん吐く自信があったから素直に頷いた。はとりの布団に吐いたらさすがに縁切られそう。

「はとりもごめん…」
「なんで俺名前と一緒にいるのか疑問に思った」
「えええええごめん!ごめんなさい!はとりごめん〜〜〜!」

はとりの休みの日とイベントが重なって、じゃあはとりも一緒に行こうよ別行動だけどって言ったときとか、推しキャラのバースデーケーキとパネル作ってひとり誕生日会の写メはとりに送ったときとか、わりとことあるごとに聞いたセリフだけど昨日は自分でも相当ひどかったと思うからもしや今度こそ本気かもしれない。目がちょっと霞んできたけど、ここで泣いたらほんとそれこそほんとに最悪なおんなになってしまう。がまん、いや、やればできる…

「だめだ…はとり、わたしの鼻つまんで…」
「え、嫌だけど、なんで」
「な、泣きそう…」
「泣いたら?」
「はとりがつめたい…ご、ごめんなさい!もうお酒飲まないしイベントも自重するし推しキャラの誕生日会もしないし漫画のキャラと実在の人物照らし合わせて絡んだりしません!」
「ああ、だから槙の頭撫でたがってたのか」
「はとりの頭撫でるのも好きです!」
「いや、別にそこは気にしてないから」

でもなんかちょっとだけ嬉しそうに笑ってくれたから、わたしもじんわり温かいものが喉元にこみ上げる。手を伸ばしてはとりの頭を撫でると、サラサラの髪の毛が顔に落ちていく。「ちょっと、やめてよ」とくすぐったそうに顔を動かすから落ちた髪の毛を耳にかけてあげる。美少年じゃないけど、めちゃくちゃ整った顔が優しくわたしに微笑んでいてすごくときめいた。

「わたしやっぱりはとりがいちばん好き」
「うん、じゃあ名前は反省して今からここで俺とゆっくり過ごすこと」
「え、うん…それはわたしも嬉しいけど、そんなことで反省になるの?」
「今何時か知ってる?」
「今?わかんないけど、まだ九時にもなってないんじゃ……あ?!」
「毎日欠かさず見てたアニメ、今日は見れないね?」
「いやいやいやだめだって!むり!録画もしてないし、いやまって、ほんとに、ちょっとはとり離して」
「反省しないような女の子とは一緒にいられないかな」

それに返す言葉もない。手を回して背中を撫で始めたはとりにまた視界が滲んだ。










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