まなみと 未成年の主張


(会話のみ)




「ちょっとまなみ、なにそれ」
「リンゴジュースとオレンジジュースとカルピスと烏龍茶」
「なんでそんなのつくってきちゃうの」
「え、これ美味しいんだよ」
「嘘だよ……色がおかしいもん…」
「そうかな」
「そんな色のジュース見たことないよね」
「これ以外じゃ俺もないけど」
「えっ、えっそれほんとに飲むの?」
「だから美味しいって」
「飲む勇気が…!私にはないッ…!」
「何それ」
「今読んでる漫画の」
「知らないや」
「まなみはどっちかというとゲームだよね」
「ん、俺あったかい飲み物とってくる」
「冷えた?大丈夫?」
「大丈夫大丈夫」


♯♯

「ねえ、だからなんでそういうの持ってくるの?」
「これなんだと思う?」
「はっきり言うなら泥水」
「ブブー、紅茶三種類入れて烏龍茶入れた」
「また烏龍茶?」
「熱すぎて飲めないかなーと思って」
「どうせならリンゴジュース入れてフルーツティーにすればいいのに」
「おもしろくないじゃん」
「まなみはあれだ、あの目の鋭い恐い先輩に怒られるよ」
「あー怒りそう」
「食べ物を粗末にするなって」
「そういう意味じゃ東堂さんのほうが怒るかな」
「えーと、スリーピングビューティーの?」
「うん、そういうとこ厳しい」
「一回怒られたほうがいいよね…」
「残さないから大丈夫だって」


♯♯♯

「このマロンパフェ食べたかったんだよなあ」
「わたしも!でもモンブランの誘惑に負けちゃった」
「俺も」
「マロングラッセとかもおいしそうだったんだけど…」
「焼き栗もおいしそうだったし」
「こういうとき、早く大人になって、ここからここまで下さい!って言いたいよね」
「俺、そんなにはいいや」
「まなみ、栗好きなんでしょ?」
「好きだけどそんなに甘いものばっかり食べれないよー」
「大丈夫大丈夫」
「全然大丈夫じゃないんだけど」



「ねーまなみー」
「んー?」
「わたしもうお腹チャポチャポ」
「俺も」
「そろそろ行く?」
「そうしよっか」
「あ」
「どうしたの?」
「今日うち栗ご飯だって!!」
「えっチサちゃんち?」
「うん、今お母さんからメール来てた!」
「えーいいなー」
「まなみ食べにおいでよ!」
「えっ」
「栗ご飯だから多めにつくってると思うよ」
「や、でも」
「おにぎりにしてもらって一緒に食べよ」
「栗ご飯のおにぎり?」
「うん、おいでよ」
「行きたい!」
「やった!なんかワクワクするね」
「ほんとにいいの?」
「うん、栗ご飯おにぎり食べよ!」
「栗ご飯おにぎり!」








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