まなみと 借りたノート



まなみにノートを借りるとか、明らかな人選ミスだった。持ち帰って家で広げてみたはいいものの、あまりに感覚的すぎるノートにぜんぜんついていけない。やけにうまい武将らしき似顔絵の隣に「←合戦の人」とだけ書かれてたり、明らかに無理のある語呂合わせが書いてあったりなにもわからない。これ、たぶん隣でまなみが解説してくれないとわからない。もう夜も遅いし、さすがにまなみの家にはいけないだろうし、まなみに電話したところでノートの内容なんか覚えてるはずがない。しょうがない。

諦めて、そっとノートを閉じる。裏表紙には、走り書きだったがきちんとした有用なメモがとってあった。ますます意味がわからない。なんで裏表紙にメモするんだろう?ノートの中に書けばいいのに。

ふと、隅に書かれた一文に目が留まる。走り書きなんかじゃなくて、他のものより幾分丁寧に書かれたそのメモは私と遊びに行く約束の、予定だった。
『チサちゃん ケーキ 日曜朝10時!!!!!』
びっくりマークがたくさんついたそのメモになんだかちょっとだけ嬉しくなる。まなみも楽しみにしてくれてるのかなあ。メモの少し上に、私もいつもより丁寧に『楽しみにしてるね』とネコのイラストを添える。これ見たとき、まなみなんて言うんだろう。楽しみだな、











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テーマ「人外ファンタジー」
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