リクエスト | ナノ




ごめんね悠太。
理性より、本能が勝っちゃったみたい。

オレは悠太を押し倒した。


「ゆ、うき……?」

「悠太かわい…」


悠太の耳を舐める。悠太は耳弱いんだもんね。


「やぁっ、ゆーきっ…やめ……」


だって悠太がいけないんだよ?あんな可愛い顔されて、襲わない男がいる?
いや、いない。
オレだって男の子、なんですよ?


「ねぇ悠太、オレ以外にあんな顔しちゃダメだよ?」

「なに……、ひっ」

「こーゆう顔も、ね?」


耳元でそう囁けば、もとから赤かった顔がもっと赤くなった。耳まで赤い。


「耳、赤いよ?」


そう言って耳を甘噛みしてやれば「ひゃぅっ」と可愛い声が聞こえた。

ゆっくりと悠太のシャツに手を入れる。


「ゆ、きっ……!」


もう駄目。
後戻りは出来ないよ。



そもそも、なんでこんなことになったかって言うと……

遡ること、20分前。


「祐希、ちょっと…いい?」

「んー?なぁに悠太?」

「これ…作ってみた、んだけど……」
そう言って悠太は、苺が乗ったデコレーションケーキを差し出した。


「悠太が、作ったの?」

「…うん」「俺の為に?」


悠太は黙ってこくん、と頷いた。あぁ悠太かわいい…!


「悠太ごといただきます」



そして今に至る、とー……


「祐希祐希、ちょっ、落ち着いて?」

「悠太が落ち着いてよ」


もう、全く悠太はー

と、そこでふと目についた。
悠太手作りのデコレーションケーキ……


「わかったよ悠太、ケーキプレイしよっか?」

「は……?」

悠太は固まったまま、青ざめた顔でオレを見つめる。
そんな悠太の顔に、生クリームを塗った。


「ちょ、何コレ何してんの!?」

「ちょーっと大人しくしててねー」


悠太のワイシャツを脱がせて、脇腹にも生クリームを塗る。


「つめたぁっ!?ゆーきっ!」

「だめ。やめてあげない」


オレは徐にケーキの苺を口に含み、悠太に口付けた。


「んぅ、ゆ…きっ……」

「おいしいでしょ?」


オレから悠太へ口移し。
オレは嬉しいけど、悠太は不満そう。


「いきなり、なにすんの…」


あぁ、照れ隠しって訳ね。自然と笑いが込み上げてくる。

ぺろりと悠太に付いた生クリームを舐めとっていく。
時折「…っ……ふ、」と声がするのはくすぐったいからだろう。


「はい、おしまい」


生クリームを全てきれいに舐めとった。
それだけなのに、悠太はぐったりしてる。


「もー、悠太。まだ若いんだからさぁ」

「ねぇ祐希くん、どうしてオレのベルトに手を掛けてるの?」

「大丈夫、優しくする」

「違う違う、そーゆうことじゃなくて、んっ」


そこでオレは、悠太の言葉を遮るように深いキスをした。あ、勿論べろちゅーね?
べろちゅーで溶けちゃう悠太はすごく可愛い。

その間にも、オレは悠太のベルトを外す。
金属的な音を立てて外れたそれで、悠太の両手を拘束。


「ちょ、やぁっ……祐希!」

「だーいじょぶだって」

「……、ふぇっ…」

「えっ!?」


あー…泣き出しちゃったよ…
もう、誰?オレの悠太泣かせたの。


「ごめんごめん、これ外すから」

「ぅ……、ちが…それがやなんじゃないっ……」

「え?違うの?」

てっきり両手が不自由になることが嫌なんだと思ってたけど……違うの?


それっきり悠太は黙ってしまった。
困った。双子でもわからないことがあるのか……オレ双子失格かなー…

なるべく優しく、悠太の頭に手を乗せる。


「ほら、悠太。黙ってちゃわかんないよ?」


ぽんぽんと頭を撫でてあげれば、悠太はこくりと頷いた。


「だって、祐希が急にそうやって…!」

「あ、あー……」


なるほどね。
悠太はその行為自体がやだったって訳か。


「祐希が嫌いとか、そーゆうんじゃないんだよ?」

「うん」


よかった。嫌われてるのかと思った。

じゃあ、なんで?
好きな人とでも、だめなの?


「祐希のばかっ…!やだぁっ、」


やだやだと言って泣きじゃくる悠太はすごく可愛い。


「祐希のばかっ!もう知らない!」

「え、ゆう…『バタンッ!』」


え、えええええええー……

出てっちゃったよ悠太!
しかも半裸で?


「っ、祐希のばかあぁぁぁぁっっ!!!」


悠太の叫び声が聞こえたのは、気のせいってことで。



back












「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -